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しくみの内側のしくみ
​思考する手仕事のレシピ

著者:コイズミアヤ

頁数:208頁

定価:3000円+税
ISBN:978-4-910108-19-3 C0070

装丁:宗利淳一
2024年12月25日発売

★岡﨑乾二郎氏(造形作家・批評家)推薦★

《コイズミアヤはその精緻、精密な造形操作で、ゲーデルの不完全性を突破し、体系内にその体系を超える高次元を出現させてしまう。》

立体作品の制作発表を続けてきた、コイズミアヤ初の著書。

料理本のような体裁で、作品の具体的なつくりかたに加えて、制作の経緯についてを贅沢におさめた一冊。

 

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《バナッハ=タルスキーのパラドックスというものがある。これは、たとえば小さな卵をかぎりなくコナゴナ(可算無限回の分割そして任意の細かさまでの分割)にすれば、そのコナゴナな断片から巨大な地球を作り出すことが数学的には可能だという理論、パラドックスである。もし際限がないほど超精密な技術のアヤがあれば、それは可能になるというのか。

 コイズミアヤはこのパラドックスを造形の問題として実践的に解き放そうとしている。不可能に感じるのはわれわれのドクサにすぎない。コツはスミのコさ、つまり隅あるいは角(スミ)の濃度にある。たぶん、ここに別次元のイズミがわきだす秘密がある。ようするにコイズミアヤはその精密、精緻な造形力のアヤでゲーデルに迫る認識をもたらそうとしている。》(岡﨑乾二郎)

【目次】

 まえがき

 

第1章 うつしかえ

 あやとりのドローイング

 うつしかえの図面

 Loopかめのこ

 通路と信仰

 

第2章 紐の木彫

 紐のドローイング

 紐の彫刻

 結び目のはなし

 結び目のドローイング

 輪の彫刻――結び目

 

第3章 重なる箱

 重なる箱0

 私の箱の経緯

 重なる箱11

 子どもとの遊び、monad

 

第4章 物語の量と在処

 カフカのこま

 私信-イリスをさがしています――「アヤメ」について

 ある返礼――『ギフト』

 無常の車

 言葉のかご――「チャンドス卿の手紙」

 こまと塵屑(ちりくず)

 

終章 雪について

 

 あとがき

​【著者略歴】

コイズミアヤ

1971年、東京生まれ。美術家。1990年、東京都立芸術高校を卒業。武蔵野美術大学造形学部空間演出デザイン学科で、舞台美術デザインを学ぶ。1994 年に卒業し、本格的な美術作品の制作をはじめる。1996 年から東京のギャラリーを中心に、定期的に個展を開催。2009 年、新潟県長岡市に移住し、新潟や金沢でも発表をはじめ、創作活動を続けている。

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