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DEATHか裸(ら) 

福田拓也(著)

保坂和志(解説)

頁数:152頁
予価:2500円+税
ISBN:
978-4-910108-08-7 C0092
装丁:宗利淳一
2022年2月下旬発売予定

保坂和志さん(小説家)推薦!

「私は福田さんの詩の響き・音調が好きだ」
「内面の奥の、深い、静かなところに騒音が満ちている。この騒音的な音調が私をワクワクさせる」
「この人は、波が砕ける岩場に立って海に向かって大声で叫んでいるのだ」
(本書「解説(保坂和志)」より一部抜粋)

第56回歴程賞(島崎藤村を記念して創設された文学賞)を受賞した才気あふれる詩人が、日本語の「可能性」と「自由」を新しい段階へと引き上げる、最新詩集。

【本書収録「解説(保坂和志)」2125文字中冒頭606文字】

 私はこの本を読み出して、困った、私にいったい何が言えるんだと思った。だいたい私はこの詩群を最後まで通して読んでいけるのか、何も手がかりがないじゃないか……と困りつつ行に沿って目を動かしていると、二〇一八年の『惑星のハウスダスト』のときもそうだった、いつのまにか私はいろんなことを考えている、というかいろんなことが私の頭なのか体なのか、とにかく私が私と思っているものに去来していることに気がついた。
 私は詩に関してはまったくの門外漢だが福田さんの詩を読んでいる私は小説家でさえもない。私は文学にたずさわる仕事をしているとかそういうことと関係ないところで詩の行に目を走らせている。私はいつも考えている人間のこと、世界のこと、言葉のことを読みながら考えているというかそれへの刺激を浴びている。人間の解体、主体の解体、それと同じことだという予感とともに考えている人間の不死性、存在の不滅について、ここには理屈も言い訳も持たない言葉の連なりがある。
 私は福田さんの詩の響き・音調が好きだ。福田さんの詩はまったく内省的でない、これらの詩には詩と思って教えられてきた情緒・情感がない、内省的なことや情緒的なことは私が大嫌いなものだ。福田さんの詩が内省的でないのは福田さんは内に向かうと破裂して空へ宇宙へと肉が星になって砕け散ってしまうからだ、内面の奥の、深い、静かなところに騒音が満ちている。この騒音的な音調が私をワクワクさせる。(……)

【目次】



ハウスダスト
無音の声
乳白色の渦
美しい子供たち
尻ません!
光る夜
鏡山まで
死の声
死出の山
垂直の聖地
さまよう墓標
空の浜辺
震え
日に輝く雨



多島形
橋杭岩まで
夜の記憶
空の青に
波死(はし)る子え
DEATHか裸(ら)
真鶴まで
死者たちの浜辺
橋杭岩にて
血のついた顔
失われた声



明るい風景
永遠の海岸
草、草、草!
鏡山
新潟まで
世界は眠るきみの
乱反射する風景

解説 保坂和志

​【著者】

福田 拓也(フクダ タクヤ)

1963年、東京都に生まれる。詩人、文芸評論家。慶應義塾大学博士課程中退、パリ第8大学大学院博士課程修了。文学博士(パリ第8大学)。専攻、20世紀フランス詩。1994年に第32回現代詩手帖賞、2018年に第56回歴程賞受賞。現在、東洋大学教授。主な著書に、『「日本」の起源』(2017、水声社)、『倭人伝断片』(2017、思潮社)、『惑星のハウスダスト』(2018、水声社)、『エリュアールの自動記述』(2018、水声社)などがある。

​【解説】

保坂 和志(ホサカ カズシ)

1956年、山梨県に生まれる。小説家。早稲田大学政経学部卒業。1990年『プレーンソング』でデビュー。1993年『草の上の朝食』で野間文芸新人賞、1995年『この人の閾(いき)』で芥川賞、1997年『季節の記憶』で平林たい子文学賞、谷崎潤一郎賞、2018年『ハレルヤ』所収の「こことよそ」で川端康成文学賞を受賞。主な著書に、『生きる歓び』『カンバセイション・ピース』『書きあぐねている人のための小説入門』『小説の自由』『小説の誕生』ほか。

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